どういう経緯かは分らないけれど、このクロード・フランソワの「いつものように(Comme D'habitude)」の英訳を受け「Even A Fool Learns To Love」として完成させたのだけれど、ボツとなる。未来への悠々と朗々たるポール・アンカの歌詞に比べ、なんとも線の細いボウイのお姿が垣間見られるようです。創唱者であるクロード・フランソワの方もポール・アンカの詞の世界とはまるで対称的な感じ。冷静に聴けばポピュラーソングとしては、やはりポール・アンカ&フランク・シナトラの方が売れるのは当然なのだと思えます。
ボウイより8歳程年上のクロード・フランソワ(愛称はクロクロ)は、60年代初頭から英米曲をフランス語で多く歌っていました。その頃にご結婚されており、奥様がイギリス人だったことも関係しているかもしれません。クロード・フランソワは惜しくも浴槽で電球による感電(事故)で39歳の若さで死去されました。それでも、フランスでは今もなお人気を誇っているという伝説のお方。他にもメロウな曲に好きな曲が色々あります。
また、お蔵入りしてしまう時期もあったボウイのデモ・テイクのようなものもYoutubeにありました。何故か、途中からリチャード・クレイダーマンによるピアノ曲となります。惜しくもボツにされてしまったボウイは「火星の生活(Life On Mars?)」で再びこの「いつものように(Comme D'habitude)」を想わせる曲を世に出すことに。古くからのボウイ・ファンの皆様の中では有名なお話のようです。また、当時のボウイはフランク・シナトラに影響を受けていたようで、後にフランク・シナトラの半生を描いた映画企画もあり、シナトラ役はボウイで、というニュースもありました。しかし、ボウイもまだお若く晩年のシナトラを演じるのは無理ではないか、などとの理由で却下されたとか、他にも噂がありましたが真相は定かではありません。